現在、木村泰文税理士事務所では、提携している各士業の先生方を少しでも知って頂くため、先生方からお役に立つ情報を提供して頂き、発信しています。
今回は第十回目として、弁護士の先生から頂いた情報で、「成年後見制度」についてです。
【成年後見登記制度】
成年後見制度は,改正前は禁治産・準禁治産制度と呼ばれていましたが,禁治産・準禁治産制度の下では,宣告が確定するとその事実が公告され,併せて本人の戸籍に禁治産あるいは準禁治産宣告がされたことが記載されていました。
戸籍に記載されるということもあって,禁治産・準禁治産の制度の利用は低調でした。
成年後見制度になり,公告の制度は廃止され,戸籍への記載に代わる制度として成年後見登記制度が創設されました。
この登記制度は,後見・保佐・補助の法定後見制度と任意後見制度の利用者についての氏名,生年月日,住所,本籍や成年後見などの裁判の確定日,保佐人,補助人の権限や任意後見契約の内容などを法務局に登記するものです。
登記された内容は,法務局が発行する「登記事項証明書」によって知ることができます。
登記事項証明書を請求できる人は,本人や成年後見人など限られた人になっていますので,誰でも請求はできません。
成年被後見人などと取引する人は,取引した後に成年後見人などから契約を取り消されると困りますので,取引の相手に後見制度の利用が考えられる場合は,契約する前に本人に成年後見登記についての証明を求めるという利用方法が考えられます。
登記されていない場合に発行されるものは,「登記されていないことの証明書」です。
成年後見,保佐,補助,任意後見は,そのうちの2つ以上を同時に利用することはできません。
たとえば,すでに保佐が開始していて,新たに成年後見を申し立てようとする場合,家庭裁判所は,先に保佐の取り消しを行い,その後に成年後見の開始決定をしなければなりません。
「登記されていないことの証明書」は成年後見などの申立をする場合に,先に別の制度が開始していないか確認するためにも必要になります。
成年後見登記は,東京法務局1局が登記事務を扱います。
「登記事項証明書」あるいは「登記されていないことの証明書」は,東京法務局か全国の法務局の本局の窓口に発行請求します。
東京法務局には郵送で請求することもできます。
請求用紙は,法務局のインターネットのホームページに掲載されています。
※次回の掲載日は、12月27日前後を予定しております。
法律関係でお困りでしたら、提携している弁護士をご紹介いたします。
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