現在、木村泰文税理士事務所では、提携している各士業の先生方を少しでも知って頂くため、先生方からお役に立つ情報を提供して頂き、発信しています。
今回は第40回目として、弁護士の先生から頂いた情報で、「成年後見制度」についてです。
被後見人による遺言書作成
被後見人であるから遺言できないとはいえません。遺言をするには,遺言することの意味が理解できるだけの判断能力が必要とされていますから,そのような能力があるときには遺言することが可能です。
被後見人は,「精神上の障がいにより事理を弁識する能力を欠く常況にある」人とされていますが,被後見人が「事理を弁識する能力」を一時的に回復している場合には,遺言することが可能になります。
被後見人が遺言する場合には,医師2名以上の立会が必要です。遺言に立ち会った医師は,被後見人が事理を弁識する能力(自分がしていることの意味内容を理解できる能力)を欠く状態になかったことを遺言書に付記して,これに署名,押印することになっています。遺言書が秘密証書遺言の場合は,封紙にそのことを書いて署名,押印することになっています。
遺言は,遺言者が自分の財産の処分をする遺言者自身の意思表明であるので,他人が代わってすることはできないと考えられています。従って,後見人等が本人に代わって遺言書を作成することはできません。
本人が遺産を残して亡くなり,本人には相続人がなく,遺言書もない場合は相続財産管理人が選任され,本人の療養看護に努めるなど本人と特別の縁故があった者に対する相続財産の分与が行われない限り,遺産は国庫に帰属することになります。そのような結果は,本人が判断能力がある間に自分の財産の最終処分方法を決めていなかったことによるものであり,これを避けるために後見が開始した後,本人が遺言するだけの判断能力の回復がないのに,後見人等が本人の遺言書を作成することはできません。
※次回の掲載日は、1月31日前後を予定しております。
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