現在、木村泰文税理士事務所では、提携している各士業の先生方を少しでも知って頂くため、先生方からお役に立つ情報を提供して頂き、発信しています。
今回は第40回目として、弁護士の先生から頂いた情報で、「成年後見制度」についてです。
成年後見等の終了,後見人等の交代
成年後見等が終了したり後見人等の交代が行われる場合としては,次のようなものがあります。
① 本人の死亡
本人が死亡すると後見等は当然に終了します。本人の死亡と同時に後見人等の権限も終了します。本人死亡に伴い,後見人等が対応するべきことがありますが,このことについては改めて説明します。
② 後見等開始審判の取消(判断能力に変動があった場合)
本人の判断能力が回復した場合は,家庭裁判所は後見等開始審判の取消を行い,これにより後見等は終了します。判断能力が回復したかどうかは,医師の診断書に基づき,調査官調査や場合によっては鑑定も行って判断されます。
判断能力は,完全に回復していると判断される場合もありますが,被後見人等が保佐や補助レベルに回復したと判断される場合もあります。この場合は,申立により,後見開始審判の取消と同時に保佐開始審判と保佐人の選任審判あるいは補助開始審判と補助人の選任審判がされます(さらに言うと,保佐人には法律の定めた同意権・取消権が当然に付きますが,代理権を付けるには本人の同意が必要です。補助人については,補助の開始自体に本人の同意が必要ですし,同意権・取消権,代理権を付けることについても本人の同意が必要になります。補助の場合,本人が同意しないと補助開始審判ができません。)。
逆に,被補助人や被保佐人の判断能力がさらに低下して保佐や後見レベルになったと判断されることもあります。この場合は,申立により,補助開始審判の取消や保佐開始審判の取消と同時に保佐開始審判と保佐人の選任審判あるいは後見開始審判と後見人の選任審判が行われます。
③ 後見人等の死亡
後見人等が死亡した場合は,本人についての成年後見等は終了しません(後見等開始審判は維持されます)。しかし,後見等の業務を行う後見人等がいなくなるので,家庭裁判所は新たな後見人等を選任することになります。
④ 後見人等の辞任,解任
後見人等が辞任したり解任された場合も,後見人等がいなくなるので,家庭裁判所は新たな後見人等を選任することになります。
⑤ 後見人等についての欠格事由の発生
破産決定を受けた人は後見人等に選任されません(欠格。ただし,破産決定後に免責決定を受けた場合は破産者でなくなりますので,選任可能です)。家庭裁判所で後見人等を解任された人,被後見人に対して訴訟した人も同様に後見人等に選任されません。
すでに後見人等に選任されている人についてこれらの事由が発生した場合は,当然に後見人等でなくなります。この場合も,後見人等がいなくなりますから,家庭裁判所は新たな後見人等を選任することになります。
⑥ 後見人等についての後見等の開始
後見人等自身に後見等が開始された場合,後見人等はそのことでは資格を失いません。しかし,後見等の職務を遂行できないと判断されれば,後見の任務に適しないとして辞任を求められたり,解任される可能性はあります。
※次回の掲載日は、2月29日前後を予定しております。
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