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提携士業情報(成年後見制度59)
2022.01.31 更新

現在、木村泰文税理士事務所では、提携している各士業の先生方を少しでも知って頂くため、先生方からお役に立つ情報を提供して頂き、発信しています。

今回は第59回目として、弁護士の先生から頂いた情報で、「成年後見制度」についてです。

 

 

 

 

Q&A成年後見

 

 

【質問】 

本人は80代女性。要介護4で認知症になっています。本人には長男,長女,次男の3人の子どもがおり,次男が本人のために後見人になっています。本人は,現在は特別養護老人ホームに入所しています。

次男と長男とは最近本人の財産を巡ってけんかをするようになり,長女は次男に加勢して長男と対立関係になっています。次男は将来本人の相続が始まったときのことを考え,本人の預金を引き出し,長女と次男で2等分しました。

このことを知った家庭裁判所は次男を解任し,弁護士を後任の後見人に選任しました。

新しい後見人が次男と長女にお金を返すよう請求したところ,次男はすぐに返金に応じましたが,長女はお金を返そうとしません。

どう考えればいいでしょうか。

 

【回答】

後見人等は,善良な管理者の注意義務を負っており,家族であっても本人の財産を自分の財産とは分けて管理する責任を負っていますから,本人の財産を後見人等が自分や他人のために使うことは認められません。本件では,後見人である次男は,後見人の財産管理権に基づいて本人の預金を引き出し,これを自分と長女の2人で分けていますが,お金を分けたことに合理的な理由があるとは考えられません。次男は引き出したお金を全部本人に返す義務があります。長女も自分がもらったお金を本人に返す義務があります。後任の後見人は,長女がお金を返さない場合は,長女だけでなくこのような行為により本人の財産に損失を与えた次男も相手にして訴訟でお金の返還を請求することができます。どちらからでも失ったお金が返ってくればそれでよいと考えるわけです。

成年後見の場合,近年,後見人等が本人の財産を着服する例が過去に多いときで年間500件余り発覚した時期もありました。これらは明らかに業務上横領事件であり,刑事処罰も加えられることになります。親族だからといって財産を自分の財産と区別せずに管理し,着服したりすると解任され責任を問われることになるので注意が必要です。

家庭裁判所は,一定額(たとえば1000万円)以上の財産がある本人の場合,親族後見人等が管理する本人預金について,後見制度支援信託あるいは後見制度支援預金という形で日常の金銭支払いを超える支出は家庭裁判所の許可がないと銀行から引き出せない制度を導入し,不適切な財産管理は減少するようになりました。

 自分の財産と本人の財産の区別ができず,財産管理も十分にできない親族が後見人等に選任されることには大きなリスクがあり,最近では親族後見人の選任割合は20%,弁護士などの専門職が後見人等に選任される割合が80%前後になっています。しかし,本人の財産を取り込んでしまう親族がいることも事実ですが,本人のことをよく知り,本人に自分らしい暮らしを実現してもらいたいと考えている親族後見人等が多くいることも事実です。後見人等としてどのような本人支援をすればいいのか,財産管理の仕方はどうすればいいのかなどについて後見人の事務の基本的なことを親族に教え,理解してもらうことができれば,十分な後見人活動ができる親族はたくさんいるはずです。

 最近は成年後見制度利用促進基本計画により,各市に設けられる中核機関が親族後見人を支援することが考えられています。

 

 

 

 

 

※次回の掲載日は、2月28日前後を予定しております。

法律関係でお困りでしたら、提携している弁護士をご紹介いたします。

お困りの際には、まず木村泰文税理士事務所へご連絡くださいませ。

〒540-0003
大阪市中央区森ノ宮中央2丁目12番16号キムラ経営ビル
TEL:06-6910-8788 FAX:06-6910-8577
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