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提携士業情報(成年後見制度60)
2022.03.01 更新

現在、木村泰文税理士事務所では、提携している各士業の先生方を少しでも知って頂くため、先生方からお役に立つ情報を提供して頂き、発信しています。

今回は第60回目として、弁護士の先生から頂いた情報で、「成年後見制度」についてです。

 

 

 

 

 

 

Q&A成年後見

 

 

【質問】

本人は75歳男性。妻は数年前に死亡しており子どもはいません。本人はマンション2棟を所有して賃貸管理をしている会社の代表取締役ですが,70歳をすぎたころから認知症を発症し,急に身の回りのことをすることができなくなり,現在は要介護3で,介護付き有料老人ホームに入所しています。本人に後見が開始し,後見人が選ばれました。

会社の経営についてどう考えればいいでしょうか。

 

 

【回答】

 本人に後見あるいは保佐が開始し,本人が被後見人あるいは被保佐人になった場合,少し前までは,本人は会社の取締役になれないし,なっていれば取締役の地位を失うことになりました(補助についてはこのような制限はありませんでした)。

このような資格制限は成年後見制度におけるノーマライゼーションの理念に反し,成年後見制度の利用促進の妨げになると考えられ,会社法が改正されて2021年3月1日からこの制限は廃止され,取締役に選任されることが可能になりました。

 改正法は,取締役になった被後見人,被保佐人が行為した結果が後に取り消されて取引が不安定になることに配慮して,被後見人が取締役に就任するには,成年後見人が本人の同意を得た上で本人に代わって就任の承諾をする必要があるとしています。また,保佐については,被保佐人が取締役に就任するには,保佐人の同意を得なければならないとされており,さらに,保佐人が代理権を付与されている場合は,後見の場合と同様に,保佐人が被保佐人の同意を得た上で被保佐人に代わって就任の承諾をする必要もあるとされています。後見と保佐で分けて定めているのは,被保佐人は被後見人よりも判断能力があるという前提で制度が作られていることに合わせてのものです。

 このような手続を経て取締役に就任した以上は,本人が取締役の資格に基づく契約などの法律行為をした場合,それを取り消すことができなくなります。 

 なお,本件の事例は,本人がすでに取締役に就任しており,その後に後見の開始審判を受けていますが,この場合も本人は取締役の地位を失いません(取締役の地位を失いませんから代表取締役の地位も失いません)。しかも,改正法では,取締役になっている人が後に後見あるいは保佐開始の決定を受けた場合に,取締役就任の場合の手続と同様の手続をすることを定めた規定がありませんので,後見開始決定があっても,上記のような後見人が本人の同意を得て就任の承諾をする手続をする必要がなく,会社の取締役であり続けることができると考えられます。

ただし,会社の運営を本人ができるかどうかは本人の経営能力に関わる問題であり,本人の能力では経営が無理ということであれば社内の内部統制の問題となると考えられます。会社で本人以外にも経営に関わる人がいる場合は,本人に辞任を促したり取締役会で代表取締役を解任したり株主総会で取締役を解任するなどの手続が考えられます。会社経営をする人が本人だけというような場合は,後見人が本人と会社経営をどうするか話し合って進めるなどの方法しかないかも知れません。

 

 

 

 

 

 

 

※次回の掲載日は、3月31日前後を予定しております。

法律関係でお困りでしたら、提携している弁護士をご紹介いたします。

お困りの際には、まず木村泰文税理士事務所へご連絡くださいませ。

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