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提携士業情報(成年後見制度66)
2022.08.31 更新

現在、木村泰文税理士事務所では、提携している各士業の先生方を少しでも知って頂くため、先生方からお役に立つ情報を提供して頂き、発信しています。

今回は第66回目として、弁護士の先生から頂いた情報で、「成年後見制度」についてです。

 

 

 

 

 

Q&A成年後見

 

 

【質問】

本人は70 代男性で中度知的障がいがあり,相談支援事業所の支援を受けながら1人暮らしをしています。本人は家を賃借していましたが,家主と日ごろから折り合いが悪く,ある日ゴミ捨てのことで家主と激しくもめたことからこれ以上この家に住みたくないと思い,家を明け渡すことにしました。本人は明渡に際して大家から原状回復費90万円を請求されました。本人は大金を請求され,どうしていいか分からず,相談支援事業所に相談しましたが,相談支援事業所でも分からず,弁護士に相談するか,成年後見制度を利用して後見人等に対応してもらってはどうかと説明されました。本人は他人に自分の財産を管理されたくないと成年後見制度の利用に消極的な態度を取っています。

どうすればいいでしょうか。

 

 

【回答】

1 建物の賃貸借契約を解除する場合,大家(貸主)から,部屋の補修費として原状回復費の請求がされることがあります。原状回復費は,畳,襖,障子,クロス,じゅうたんの貼り替え,ドアのペンキ塗り替え,ハウスクリーニングなどについて法外な額が請求され,退去時トラブルが社会問題になっていました。

国土交通省は,原状回復をめぐるトラブルの防止のために,平成10年3月に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しています(平成23年8月再改訂)。

このガイドラインにより,賃借人は退去時に経年変化していたり,通常の使い方をして発生する損耗による建物価値の減少は負担しなくてよく,これらは貸主が負担することになり,賃借人は賃借人の故意・過失,善管注意義務違反,その他通常の使用を超える使用による損耗,毀損について責任を負担することになりました。

2010年4月から改正施行された民法でも,賃貸借の終了に際し,賃借人は通常の使用によって生じた賃借物の損耗,賃借物の経年変化による損傷の原状回復義務を負わない(賃借人に責任がある場合は責任を負います)ことが明記されています。

 

2 本事例において,本人は建物の明渡に際して大家から原状回復費90万円を請求されています。以前であれば言われるままに支払われていたかもしれませんが,ガイドラインが公表された後は,経年変化,通常損耗によるものは賃借人は負担しなくてよくなっていますから,本人は請求された原状回復費の内容を検討し,負担しなくてもよいものは支払いを拒むことができます。

支払いを拒めると言っても,家主と本人との間の力関係によっては,言われるままに支払わされてしまう場合があります。このような場合に,力関係を対等にするための方法として,弁護士に依頼して家主と対等の立場で交渉してもらい,本人が不利益を被らないようにすることが考えられます。

家主と本人との間にある力関係の差を是正する方法として,本人の判断能力が不十分である場合には,成年後見制度を利用して後見人等が本人を代理して家主と交渉することも考えられます。

弁護士が代理する方法と成年後見制度を利用する場合の違いは,弁護士が代理する場合は,その事件だけの代理なので,事件が解決すれば弁護士と本人の関係は終了します。成年後見制度を利用する場合は,事件が解決しても,選任された後見人等は本人の判断能力が不十分な間はずっと支援を行いますから,後見人等と本人の関係は切れることなく継続します。

 

3 本事例では,本人は中度知的障がいがあるということですから,保佐,補助に該当する可能性があります。

  保佐,補助の場合,保佐人,補助人に代理権を付与するには,本人の同意が必要です。本人が他人に財産管理をしてほしくないと言う場合,保佐人,補助人が財産管理することはできません。家主との建物賃貸借契約に関する代理権だけを付与してもらうことは可能です。その場合は保佐人,補助人が持つ代理権は賃貸借契約についての交渉に限られ,賃貸借契約解除に伴う原状回復費についても交渉することができます。それ以外の財産の管理はできませんので,それは本人が自分ですることになります。

今後,本人が自分では対応できないことが起きれば,その時に必要な代理権をさらに保佐人,補助人に付与してもらうことで対応することも可能です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※次回の掲載日は、9月30日前後を予定しております。

法律関係でお困りでしたら、提携している弁護士をご紹介いたします。

お困りの際には、まず木村泰文税理士事務所へご連絡くださいませ。

 

〒540-0003
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TEL:06-6910-8788 FAX:06-6910-8577
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