現在、木村泰文税理士事務所では、提携している各士業の先生方を少しでも知って頂くため、先生方からお役に立つ情報を提供して頂き、発信しています。
今回は第72回目として、弁護士の先生から頂いた情報で、「成年後見制度」についてです。
Q&A成年後見
【質問】
隣の家で70歳代の女性が1⼈暮らしをしています。たった1人のお兄さんがかなり前に亡くなったと聞いておりほかに家族はいないようです。私は時折様子を見に行っていましたが,近頃は外出もほとんどせず見かけない日が続いていました。昨日,本人が突然私の家に来て通帳がなくなった,あんたがとったやろと⾔って⼤騒ぎしました。本人と久しぶりに会ったのですが,服は汚れて髪もボサボサでした。話も何を言っているか分からないことを言い,認知症が進んでいるような感じでした。いきなり泥棒呼ばわりされたので私も怒りでつい大声で怒鳴ってしまいましたが,これから同じことが続くのは困ります。
どうすればいいでしょうか。
【回答】
1 地域で⾼齢者がひとり暮しをしている例が増えています。ひとり暮らしをするようになった理由は様々でしょうが,人は年齢を重ねるにつれて認知症になりそれが進行していく場合があります。見守る人がいれば状況に応じた対応が可能で,大きな問題なく生活していくことも可能でしょうが,そうでない場合は本人がひとりで暮らすのが難しくなったり,社会とのトラブルが発生したりして問題が表面化します。
このようにして社会生活を支援なしに送ることが難しくなってきた人の場合,相談先として「地域包括支援センター」が考えられます。地域包括支援センターは,人口2,3万人の地域に1箇所程度,各市町村が設置します。およそ中学校区に1箇所というイメージです。地域包括支援センターには社会福祉士,主任ケアマネジャー,保健師がおり,医療・介護・福祉の総合相談,介護予防の取組などを行っており,家族でなく近隣の人でも相談に行けば,介護や虐待対応,成年後見制度などの相談に応じてくれます。
2 相談があれば地域包括支援センターは本人宅を訪問するなどして本人の状況を把握し,ケース会議を開いて必要なサービスを検討して本人の支援をしていきます。
地域包括支援センターと本人が話をして支援を受け入れることになれば,介護の必要性,認知の状況などを検討して,必要な医療や介護などのサービス導入につなぎ,成年後見制度の利用が必要と考えられればその対応もします。本人の判断能力では後見申立てができず後見申立をする家族もいない場合は,地域包括支援センターは市町村長による後見申立に向けて市町村の担当部局と協議を行います。
支援を受け入れない人もいますが,その場合でも地域包括支援センターは本人が支援の必要な状態であれば,地域の関係者と連携して本人の訪問もしながら状況把握を引き続き行っていきます。
※次回の掲載日は、6月30日前後を予定しております。
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