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提携士業情報(成年後見制度83)
2024.07.01 更新

現在、木村泰文税理士事務所では、提携している各士業の先生方を少しでも知って頂くため、先生方からお役に立つ情報を提供して頂き、発信しています。

今回は第83回目として、弁護士の先生から頂いた情報で、「成年後見制度」についてです。

 

 

 

 

 

 

Q&A成年後見

 

【質問】

 本人は80歳の女性で50歳の長女と2人で暮らしています。本人は認知症があり介護が必要な状態になっていますが,長女は自分が母の面倒をみると言い,ヘルパーなどが家に入るのを断っています。本人は汚れた服を着て尿臭もしており,入浴,排泄,食事など身の回りのことが十分に対応されていない可能性があります。本人の年金は月額15万円で長女には収入がありません。長女には精神疾患があると考えられています。

本人が病院に救急搬送されました。本人は脱水症状がひどく栄養状態も悪くて衰弱していました。体には不審なあざが何箇所かありました。

本人の容体が回復してきたところで長女が本人を退院させるよう病院に言って来ました。このまま退院してもらっていいか病院は迷っています。

どうすればいいでしょうか。

 

【回答】

1 この件で病院は虐待を疑う事情があれば,市町村に虐待通報することが求められています。虐待のはっきりした証拠がなくても,疑われる事情があれば通報することができます。高齢者虐待防止法は,身体的虐待,心理的虐待,介護の放棄,性的虐待,経済的虐待の5つの虐待の類型を定めています。あざが体のどこについているのか,事故でつく可能性がないような場所であれば身体的虐待が疑われます。脱水症状になり栄養状態が悪くなることも介護が十分にできていれば通常はあることではありませんから,このような身体状況になった経過に不自然な状況があれば介護の放棄が疑われます。

虐待通報があると,市町村で担当者によるコアメンバー会議が開かれ,本人のあざがどのようにしてできたのか,本人の介護や具体的生活状況などを娘や診察した医師,民生委員,地域包括支援センターなどから情報収集が行われ,身体的虐待や介護放棄の有無の認定と緊急性の判断が行われます。本人に介護が必要な状況があり,娘だけではそれに対応が難しいにもかかわらずそのために必要なお金を使わない,本人の栄養状態が悪くならないようにするための食事代にお金を使わないなどの事情が認められれば,経済的虐待も認定される可能性があります。

 

2 虐待が認定されると,虐待解消に向けた取り組みが開始されます。虐待解消のための取り組みはいくつかありますが,本人の安全保護の必要性が高い場合は,やむを得ない事由による措置として,養護老人ホーム,特別養護老人ホームなどへの入所措置が実施されることがあります。やむを得ない事由による措置で養護老人ホームなどへの入所措置が実施された場合,市町村長や施設の長は,高齢者虐待を行った者と本人との面会を制限することができます。

また,本人の判断能力が低下している場合は,成年後見等の申立てをして,本人に後見人等を選任してもらい,後見人等が本人の年金や財産の管理を行うようにします。後見等の申立ては,本人の親族が行うことができますが,そのような人がいない場合は市町村長が申立てることができます。

  後見人等が家庭裁判所から選任されると,後見人等が本人の代理人として金融機関に後見届出を行い,以降は後見人等が本人の財産管理を行いますので,家族等は財産を扱うことはできなくなります。それまでに使い込まれていたものがあれば後見人等は返すよう請求できます。入院費や今後の福祉サービス利用料などは後見人等が管理するお金の中から支払をすることになります。

 

3 このような対応をして本人の権利擁護を図ります。本人だけでなく長女にもどのような支援が必要なのかを行政で検討して娘に対する支援を行い,虐待が行われない環境を調整することも虐待防止法の定めるところです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※次回の掲載日は、7月31日前後を予定しております。

法律関係でお困りでしたら、提携している弁護士をご紹介いたします。

お困りの際には、まず木村泰文税理士事務所へご連絡くださいませ。

〒540-0003
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