現在、木村泰文税理士事務所では、提携している各士業の先生方を少しでも知って頂くため、先生方からお役に立つ情報を提供して頂き、発信しています。
今回は第93回目として、弁護士の先生から頂いた情報で、「成年後見制度」についてです。
Q&A成年後見
【質問】
本人は70歳の男性です。子どもは2人いますが,本人とは別に暮らしており,本人は1人暮らしをしています。本人は認知症との診断を受けており,専門職の補助⼈が選任されています。最近,本人は健康食品の訪問販売に来た女性と意気投合し,結婚の約束をしました。子どもたちはその⼥性がどんな⼈か全く分からず,結婚に反対しています。
どうすればいいでしょうか。
【回答】
後見人や代理権が与えられた保佐人,補助人は,本人を代理する権限はありますが,後見人等が本人を代理して行為できるのは,基本は本人の財産に関するものとされています。結婚,離婚,子の認知,養子縁組などの身分行為や遺言などその人が自分の意思で決めることが大切であり,本人に固有の権利として一身専属権と呼ばれ,本人以外の他の人が決めることはできず,代理することはできません。後見人が結婚に反対であったとしても,本人の意思が尊重され,相手との結婚を代理人として取り消すことはできません。
なお,詐欺,強迫によってされた結婚は,本人が詐欺に気づくか強迫を逃れてから3か月以内に取消を家庭裁判所に請求することができることになっています(民法747条)。
家庭裁判所に請求する場合に,結婚の取消の訴えのようないわゆる「人事に関する訴え」については,原告あるいは被告となるべき人が成年被後見人である場合は,成年後見人は被後見人のために家庭裁判所に訴え,又は訴えられることができます(人事訴訟法第14条)。被保佐人,被補助人についてはこのような規定はありませんから,被保佐人,被補助人の場合は,人事に関する訴えは,保佐人あるいは補助人が自ら訴え,又は訴えられることになります。
※次回の掲載日は、6月30日前後を予定しております。
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