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提携士業情報(成年後見制度94)
2025.07.01 更新

現在、木村泰文税理士事務所では、提携している各士業の先生方を少しでも知って頂くため、先生方からお役に立つ情報を提供して頂き、発信しています。

今回は第94回目として、弁護士の先生から頂いた情報で、「成年後見制度」についてです。

 

 

 

 

 

 

Q&A成年後見

 

【質問】

知的障がいのある30歳の男性。療育⼿帳B2。両親とは別々に暮らしています。障がい年金が月額66,000円あります。本人は養護学校⾼等部を卒業後,障がい者枠で雇用され働いていましたが,先月勤め先の会社が破産申立てをし,本人は解雇されました。当分は雇用保険の失業手当を受け取りながら生活する予定です。会社が破産しているので,退職金はもらえるかどうか,もらえるとしてもすぐにもらえるかは分かりません。本人はこれまでに金融機関数社から借金を約300万円しており,年金と給料で何とか支払をしてきていましたが,給料が入らなくなると借金の返済も難しくなりそうです。

どうすればいいでしょうか。

 

【回答】

本人は会社が倒産し,収入が得られなくなりました。しばらくは失業給付金か未払賃金立替制度などを利用して暮らすことができます。失業給付金は,離職日直前6か月の毎月の賃金合計を180で割って計算した金額の5~8割が支給額になり,支払を受けられる期間は,被保険者であった期間と年齢によって決まります(10年以上の被保険者期間で30歳ならば210日)。未払賃金立替制度は,労働基準監督署が,賃金が未払いのまま会社が倒産した労働者に退職した日の6か月前からの退職金を含む未払賃金(ボーナスを除く)の8割(年齢に応じた限度あり)を立て替えて支払ってくれます。これらのお金がある間に次の就職先を探す必要があります。

就職先を探しながら債務整理をすることも必要になります。失業給付金や未払賃金立替金では300万円の借金は返せないかも知れません。毎月5万円を払っても全部返すのに60か月,5年かかります。金利,遅延損害金を考えるともっと多くの期間返すことになります。

借金を清算する方法として,法律上は個人再生,破産という手続があります。個人再生は,一定の金額を返済して残りの借金を全額免除してもらう制度です。500万円までの借金であれば,通常100万円を3年かけて返せば,残りの借金は全額免除してもらうことができます。100万円を3年ということは,1か月27,777円の返済です。これを返すのが難しい人は,破産手続を行い,裁判所から免責決定により借金を全額免除してもらう方法があります。債権者にお金の返済を全くせずに借金を全額免除してもらえる制度です。

本人が仕事に就き,個人再生や破産で借金がゼロになれば人生の再スタートを切ることができそうですが,本人が300万円もの借金をしたのはどうしてでしょうか。もしかすると本人はお金の管理が苦手で,計画的にお金を使えないのかも知れません。お金がないと不足する分を借金で賄おうと簡単に考えてしまうところがあるかも知れません。破産などにより人生の再スタートを切っても,また借金を重ねて再び債務超過にならないとも限りません。破産で免責を得た後は,7年間は免責を得ることはできません。本人にとっては慎重に生活する必要のある大切な期間になります。財産の管理を自分でできないときは,第三者にお金を管理してもらい,必要に応じてお金を渡してもらって生活することが考えられます。

利用できそうな制度として,各市町村の社会福祉協議会が行っている日常生活自立支援事業があります。社会福祉協議会が本人からお金を預かり,定期的にお金を渡してもらう仕組みです。本人もこれによってお金を計画的に使うことができるようになることが期待できます。

一度破産をすると,いわゆるブラックリストに載り,一定の期間(5年程度)は金融機関から借金ができませんから借金がすぐに発生することは避けられそうですが,金融機関によっては,リスクを承知で貸してくるところがあるかも知れません。そうなると日常生活自立支援事業でお金の毎週の支出はコントロールできても,借金を再びすることが考えられます。

本人がこのようなことに陥らないためには,後見制度の利用が考えられます。本人は療育手帳B2ということですから,判断能力は不十分(補助)か著しく不十分(保佐)のレベルである可能性があります。医師に診断書を書いてもらって,補助(補助の申立てには本人の同意が必要)か保佐の申立てをして後見制度を利用することを考えます。補助人か保佐人がつくと,その人が本人の金銭管理を行うことになります。補助人,保佐人の同意なく本人が借金すると,補助人,保佐人はその借金行為を取り消すことで本人を保護することができます。借金を取り消すことができるのは本人保護の上では大きな力になるといえます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※次回の掲載日は、7月31日前後を予定しております。

法律関係でお困りでしたら、提携している弁護士をご紹介いたします。

お困りの際には、まず木村泰文税理士事務所へご連絡くださいませ。

 

〒540-0003
大阪市中央区森ノ宮中央2丁目12番16号キムラ経営ビル
TEL:06-6910-8788 FAX:06-6910-8577
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